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LSJでは前回、前々回と「臨床現場の実際」をテーマとした講演が続きましたが、12月5日(金)開催の第44回セミナーでは、臨床現場まであと一息のところまで進んできた再生医療がテーマです。再生医療はバイオ分野において最もホットなトピックであり、研究の場では日々新しい知見が見いだされるとともに、治療の現場への応用を目的とした技術開発も精力的に進められています。応用に関しては夢と妄想と現実が混在している感がありますが、夢を現実のものにするための研究も着実に進んでいます。 今回のセミナーでは、特別ゲストとして九州大学より中山功一先生をお迎えし、複数種類の細胞から立体的な細胞構造体を作る手法について講演していただきます。この手法により患者自身の細胞から移植可能な立体的な臓器を構築することが可能になると期待されており、門外漢にはSF小説としか思えない世界がすぐ間近まで来ているようです。中山先生はこの手法の実用化についても興味を持っておられ、参加者からのフィードバックも期待されておられます。 なお、今回は会場がいつものクラークセンターではなく、Center for Clinical Sciences Research (CCSR)の4205番セミナー室です。お間違えのないように。 第44回オーガナイザー 奥村繁、鶴下直也 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 第 44 回 LSJ セミナー 日時:2008 年 12 月 5 日(金) 17 時 45 分(17 時 30 分開場) 場所: CCSR4205 (Center for Clinical Sciences Researchの4階) 下のリンクに地図があります。地図中央の “4205” が会場です。 http://lane.stanford.edu/graphics/maps/learningspaces_map.pdf いつものクラークセンターではありません。ご注意ください。 参加費:無料(TOMY TECH さんに日本のお菓子とドリンクをご提供いただきます) (前回までの様子はこちら http://lsjapan.exblog.jp/) ・・・・・・・・・・・・・・・・ Speaker: 中山功一さん(九州大学整形外科) Title: Scaffold free Bio rapid prototyping project Summary: 細胞移植を中心とした再生医療研究は大雑把に分けると、細胞をどこから確保するかという細胞ソースを研究する分野と、得られた細胞集団をどのように移植するかを研究する分野に大別されます。ES細胞やiPS細胞の研究が世間の注目を集めている一方で、細胞移植の手法も様々なアプローチによって開発・実現され一部は臨床応用が行われているホットな分野であると言えます。一般的には大型の器官・臓器の再生を実現させるには、細胞だけでは形状が維持できないということで、Vacntiらがマウスの背中に人間の耳を作ったように (http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/77764.stm) 、細胞の足場(Scaffold)が必須とされ、コラーゲンゲルや生体分解性ポリマーなどを足場として様々な臓器再生の研究が世界中で行われています。しかし、バイオマテリアルの持つ感染症やアレルギーなどの副作用のリスクや安全性試験の高いコストなどの潜在的問題を持っており、なかなか理想的な素材は未だ手に入らないようです。他方、東京女子医大のグループが行っている細胞シートは (http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2004/064a.html) 、細胞だけで移植可能な構造体が作成できる画期的な手法ですが、内部への培養液などの供給の問題から厚みをだすことが(Z方向)困難のようで、適応となる臓器は限定されると思われます。我々は細胞だけで厚みを持った立体構造体を作ることに成功しており、この手法を発展させ、複数種類の細胞をLEGOのように任意のXYZの位置に配置した立体的な細胞構造体を作る手法を確立しScaffold free Bio Rapid Prototypingと名付けました。現在、画像認識を組み込んだロボットによる自動化の開発を進めており、初期のプロトタイプは(セミオートマですが)ほぼ完成しています。近い将来には患者さんの細胞と3Dデータを装置に投入すると、患者さんの細胞だけで立体的な移植可能な臓器が得られるシステムの実現が期待できると考えています。関節軟骨や半月板・鼻軟骨や心臓弁などが当面の治療ターゲットになると考えていますが、肝臓系の細胞や拍動する心筋細胞などでも立体構造体を作ることに成功しており、他の臓器再生へも応用できるのではないかと考えています。また、今後バイオ系以外にも様々な分野の研究者とコラボすることによって、技術の実用化が加速できるのではないかと願っています。
by lifesciencejapan
| 2008-11-27 10:23
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