カテゴリ
以前の記事
2021年 01月 2020年 10月 2020年 08月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 04月 2019年 02月 2018年 10月 2018年 08月 2018年 04月 2018年 02月 2017年 08月 2017年 06月 2017年 05月 2016年 10月 2016年 07月 2016年 04月 2016年 03月 2015年 12月 2015年 09月 2015年 05月 2015年 03月 2015年 02月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 07月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 02月 2012年 11月 2012年 09月 2012年 06月 2012年 04月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 05月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 11月 2008年 09月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 09月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 06月 2005年 04月 2005年 02月 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
LSJのみなさまへ 来る4月20日(金)午後5時30分より第27回LSJセミナーを開催します。 今回は東京医科大学八王子医療センターで講師をしておられ、昨年6月よりPost doctoral fellowとしてImmunology & Rheumatologyで免疫寛容に関して研究をされている岩堀徹さんにセミナーをお願いしました。 現在、生体内で起こっている現象を知るための方法の一つとして、その簡便さから培養細胞が頻繁に使われています。しかし、この培養細胞は二次元で、しかも単層に増殖したもので実際の生体内の三次元で立体的に増殖する細胞とは形態が違います。そこで岩堀さんはバイオリアクターを用いて細胞を生体構造に近い三次元的に増殖させる三次元培養に成功されました。このバイオリアクターを用いて三次元培養した肝臓培養細胞では薬物代謝が見られ、動物を用いない、薬物代謝を調べる扱いやすいシステムを構築されました。 また、ウイルスの研究の鍵はそのウイルスが簡単に増殖できるかどうかにかかっています。すなわち、そのウイルスが培養細胞で増殖可能かどうかにかかっています。例えばポリオウイルスは多くの培養細胞に簡単に感染し、ウイルスの複製が可能なため、良く研究されています。岩堀さんらはこの三次元培養の方法を用いて肝臓細胞を立体培養し、それまで簡単な培養細胞系がなかった(チンパンジーでのみ感染実験が可能)C型肝炎ウイルスが複製することを示唆する結果を得られました。今後この系を用いることによりC型肝炎ウイルスの研究に大いに貢献することが期待されます。 今回のセミナーではこのバイオリアクターの説明から、このバイオリアクターを用いた研究、そして現在、将来どのようなことに応用できるかを専門外の方にもわかりやすく説明してくださいます。皆様お誘いの上、ぜひお越しください。 <第27回 オーガナイザー 下池貴志> ************************************************************************ 第27回 LSJ セミナー (前回までの様子はこちら http://lsjapan.exblog.jp/) <場所> Clark Center S360 (いつもの場所、Peet's Coffeeの奥のドアから入って下さい) <日時> 4月20日(金) 午後5時30分- 参加費 無料 (TOMY TECH さんに日本のお菓子とドリンクをご提供いただきます) <Speaker> 岩堀 徹さん (Stanford University, Department of Medicine, Immunology & Rheumatology) <Title> ラジアルフロー型バイオリアクターを用いた3次元培養システムの構築 <要旨> 生体はもともと3次元構造から成り立っている。その構成する組織細胞も3次元構築されている。肝臓や腎臓などの臓器も3次元構造であり、平面構造ではない。しかしながら、実験室におけるin vitro研究においては、一般的に平面単層培養が主流である。しかも培養液に流れはなく静置培養されており、生体構造とはかけ離れたシステムである。我々がこれまで取り組んで来たラジアルフロー型バイオリアクター(RFB)は、培養液還流型の3次元培養システムであり、生体構造に近い3次元培養を可能とした。 このシステムの特徴は、逆放射型の培養液還流方式の採用である。さらにコンピュータによる一元的なpH、酸素濃度、培養温度の24時間管理が可能であり、また自動的な培養液の注廃液が可能である。この方式を用い、我々はまず肝細胞株の培養に取り組んだ。その結果、効率良く高密度に肝細胞が培養可能となり、100日以上継代なく連続培養を可能とした。また、肝細胞の重要な機能の一つである薬物代謝については、その代表的酵素であるCYP3A4の発現が単層培養に比べて100倍以上に増強し、代謝機能も亢進した。このことは、これまで動物実験に頼りがちな新規薬物の代謝メカニズムをヒト肝細胞を用いて調査するシミュレーションモデルとして有用である可能性を示唆するものである。また多剤併用時のヒトでの代謝変化も調べることが可能である。さらに、肝炎ウイルスのin vitro発現システムにも用いられる可能性や人工肝臓としての有用性も考えられる。さらに、近位尿細管の培養にも成功し、高糖濃度かつ低酸素培養にて細胞外マトリックスの発現が亢進し、いわゆる糖尿病性腎症のin vitro 疾患モデルとしても有用である可能性が示唆された。今後、基礎細胞生物学への応用や、臨床への応用として将来性が楽しみなシステムと考える。 ************************************************************************ <Direction> ↓この地図の"C"のBuildingがクラークセンターです。 http://med.stanford.edu/maps/som_directions_map.pdf すぐ横の駐車場(A permission)は4時以降は無料です。 建物中央の中庭からカフェテリアの横の階段を3階まで上がっていただくと、 Peet's Coffeeの奥が会場です。入り口はPeet's_Coffeeの横のドアを 奥に進むか、裏から回って下さい。今回はいつもの外に面した S360 です。午後6時を過ぎるとドアはロックされます。 参加費は無料。前回までと同様にTOMY TECHさんによる日本のお菓子と ドリンクの提供があります。 #
by lifesciencejapan
| 2007-04-18 07:42
| Past Seminar
LSJの皆様 今回は、皮膚科の医師で、こちらでも皮膚科の教室で基礎研究をなさっておられる堺さんのお話です。皮膚の病気というのは非常に多くの方が一度は悩まされるもので、一度も皮膚科にかかったことはないという方は珍しいのではないかと思います。今回は、日本では実際に最前線で皮膚科の診療にあたっておられた堺さんのお話です。基礎的な話から、具体的な皮膚疾患に関するお話まで幅広くお聞きすることができると思います。基底膜という言葉は医学部等で解剖学や病理学のスケッチをさせられた人には非常になじみにある言葉ですが、それが、一体何でできているのかというのは確かに良く知りません(私だけかもしれませんが)。非常に興味深いお話が聞けると思います。皆様お誘い合わせの上どうぞ。皮膚のことでお悩みの方は相談することもできるかもしれません(確認してませんが)。 <第26回 オーガナイザー> Naoki Hosen MD. Ph.D Postdoctoral fellow Department of Pathology, Stanford University School of Medicine Weissman Lab-Beckman Center B263 279 Campus Drive, Stanford, CA, 94305-5323 <日時> 3月9日 (金) 午後5時30分 <場所> Clark Center S361 <演者> 堺 則康 さん (医学部 皮膚科学教室 Marinkovich Lab Visiting Assistant Professor ) <Title> 皮膚科領域における基底膜と細胞外マトリックスの最近の知見 <要旨> 上皮組織(表皮)と結合組織(真皮)の間を分かち、且つ強力に接合する構造である表皮基底膜(Basement Membrane Zone,以下BMZ)は、integrin、collagen、lamininなどの、細胞間接着やシグナル伝達を担う様々なcomponentに富んでいます。わずか60~80nmの厚さしかない空間であるこのBMZでは、表皮細胞と真皮結合組織間でのクロストークが盛んに行われています。また、このBMZを主座として、各componentの先天性変化、自己免疫に起因するいろいろな皮膚疾患が生じます。BMZ研究は、皮膚科学領域の中では、電子顕微鏡による形態学的研究が盛んに行われていた時代から、lamininやcollagenに対する分子生物学的アプローチが可能になったごく最近まで、研究に従事する者が多く、比較的に病態生理学的な解明が進んだ分野であります。 今回のseminarでは、まず前半で、普段皆さんにはなじみが薄いと思われる、これらのBMZとそれを取り巻く細胞外マトリックスの皮膚における機能、BMZを舞台として起こる皮膚の変化、病態(先天性表皮水疱症など)について、最新の知見を交えながら解説させていただき、後半では、BMZや細胞外マトリックスにまつわる皮膚科領域での最近のトピックス、そして私のStanford在任中の仕事であるlaminin332分子と発癌との関係に関する研究について、少し触れさせていただこうと思っております。 #
by lifesciencejapan
| 2007-03-10 14:29
| Past Seminar
来たる12月8日(金)午後5時半より、第25回 LSJ セミナーを 開催いたします。 今回のスピーカーは、Clark Center のMeyer labで研究をさ れている井上尊生さんにお願いしました。 井上さんは有機化学、顕微鏡開発、そして分子生物学と多様な研究分野を経験 して来られました。現在も異分野の研究室同士の共同研究が非常に盛んな研究環 境で精力的に細胞遊走に関する研究をなさっています。 私達の細胞は時にシグナルを受容してから秒単位の早さで劇的に変化します。 しかしその機構は非常に複雑で、また多くの場合細胞の生存そのものに重要であ るため、ノックアウトなどの手法で研究することは困難でした。井上さんは、細 胞遊走などにかかわるシグナルのON/OFFを素早く、可逆的にコントロールするこ とを可能にする手法を開発されました。今回はトップジャーナルに掲載された論 文3報の内容をまとめて聞くことができる、またとない機会です。皆様お誘い合 わせの上ぜひお越し下さい。 <第25回オーガナイザー 奥本 佐喜子> 第25回 LSJ セミナー (前回までの様子はこちら http://lsjapan.exblog.jp/) <場所> Clark Center S361 (いつもと部屋が異なります。Peet's Coffeeの奥のドアから入って、右側奥の部 屋です) <日時> 12月8日(金) 午後5時30分- 参加費 無料 (TOMY TECH さんに日本のお菓子とドリンクをご提供いただきます) <Speaker> 井上 尊生さん (Tobias Meyer lab, Department of Molecular Pharmacology) <Title> 細胞の運動を理解する 要旨; 学際的な研究(Interdisciplinary Research)という言葉をしばしば聞かれると 思います。様々な異なる学問領域の知識や技術を動員して、研究を進めていこう というコンセプトだと理解しています。1998年、スタンフォードはこうした学際 的な研究を推進するために、様々な領域に属する研究者を共通の目的「Biology & Medicine」のもとに集め、Bio-Xと呼ばれる研究プ ログラムを発進しました。 私の所属するClark CenterはBio-Xプログラムを具現化した、非常にユニークな 研究棟です。たとえば、研究室間には物理的な壁がなく、研究者の交流を盛んに しています。また、研究者の専門領域が、数学、コンピューターサイエンス、工 学、化学、物理、生物と著しく多様です。そうした環境の中で、私は細胞遊走と いう現象に興味を持ち、研究を進めてきました。細胞遊走は、受精から死ぬま で、体のどこかで必ずおきている、とても重要な生命現象です。しかし、その複 雑な機構ゆえに、研究は困難を極めていました。そこで、こうした複雑な現象を 理解するうえで必須であると思われる、新たな実験手法の開発に着手しました。 この手法は有機化学、分子生物学、細胞生物学の融合によって完成しました。 (Nature Methods, 2005)この手法は細胞遊走だけでなく、他の様々な生命現象 の理解にも役立つことがその後示されました。(膜脂質によるイオンチャネルの 制御 (Science, 2006)、低分子量Gタンパク質の膜局在機構 (Science, 2006)) 本セミナーでは、この「学際的」な手法開発の経緯と、細胞遊走を含めた生命現 象への応用について、発表したいと思います。 #
by lifesciencejapan
| 2006-12-12 23:31
| Past Seminar
来たる11月17日(金)午後5時半より、第24回 LSJ セミナーを開催いたします。 今回のスピーカーは、Department of Neurobiology の Raymond Lab で研究され、LSJ 幹事メンバーでもある加藤明さんです。 私たちはライフサイエンスに携わりながら、奇しくもシリコンバレーに融合する生活圏内におりますが、近年の脳研究・IT 研究の著しい発展により、まさに我々のライフに IT が融合しつつあると言っても過言ではないでしょう。しかし人工知能が実用化されつつある一方、まだまだ生物の脳は謎だらけです。脳神経研究は、例えば神経生理学・行動学・心理学・工学・遺伝学など、さまざまな研究分野から多角的に追究されていますが、この脳が機能的に働くためには、構造としての完成度に加え、生後のトレーニング、つまり学習が必要不可欠です。加藤さんたちのラボでは、この脳による学習のメカニズムを、眼球運動という切り口を用いて研究されています。人間を含め視覚を利用して生活している動物は、二つの眼で一つの像を認識するため、巧みに眼球運動を制御しています。 今回の発表では、眼球運動の学習方法という観点から、脳神経研究について多角的にお話しくださるそうです。皆さまお誘い合わせの上、是非お越し下さい。 <第24回 オーガナイザー 今井由美> ************************************************************************ 第24回 LSJ セミナー (前回までの様子はこちら http://lsjapan.exblog.jp/) <場所> Clark Center S361 (いつもと部屋が異なります。Peet's Coffeeの奥のドアから入って、右側奥の部屋です) <日時> 11月17日(金) 午後5時30分- 参加費 無料 (TOMY TECH さんに日本のお菓子とドリンクをご提供いただきます) <Speaker> 加藤 明さん (Stanford University, Department of Neurobiology) <Title> 「眼の動き」から運動学習のメカニズムに迫る -行動から遺伝子まで- <要旨> 21世紀は「脳の世紀」と謳われ、現在では、研究分野も以前には予想も出来なかったほど多岐に渡っています。感情や社会的行動における脳の機能解明、あるいは人工知能の研究などが、実際に挑戦可能な課題となっているのは驚くべきことだと思います。 一方で、脳が主役を演じていることを誰もが信じて疑わない、学習・記憶のメカニズムといった根本的な問題にも、いまだ確固とした答えは出ていません。 私が所属している研究室では、前庭動眼反射 (Vestibulo-ocular reflex; VOR) と呼ばれる眼球運動の系を用いて、学習の中でも比較的プリミティブな、運動学習のメカニズムの解明に取り組んでいます。VOR は、魚からヒトまで共通して見られる反射性の眼球運動です。頭が動いたとき、もし眼球と頭が一緒に動いたら、手ぶれしているビデオカメラのように、視野は常に不安定になってしまいますが、実際には VOR によって、眼球は頭と反対方向に動くため、視野は基本的に安定しています。我々は、マウス・サルの鞏膜上に取り付けた微小コイルに生じる誘導電流により、VOR を測定しています。 VOR は、周りの状況に応じて、運動学習によりそのダイナミクスが適応的に変化することが知られています。今回のセミナーでは、VOR 運動学習の、1)行動学的側面、2)神経生理学的側面、そして、3)関連遺伝子などの分子生物学的側面を紹介します。 さらに歴史的に対立する2つの大仮説から、現在私達が主張する第3の仮説に至る経緯を、先月発表したばかりの 最新の論文の紹介と合わせて、わかりやすくお話ししたいと考えています。 ************************************************************************ <Direction> ↓この地図の"C"のBuildingがクラークセンターです。 http://med.stanford.edu/maps/som_directions_map.pdf すぐ横の駐車場(A permission)は4時以降は無料です。 建物中央の中庭からカフェテリアの横の階段を3階まで上がっていただくと、 Peet's Coffeeの奥が会場です。入り口はPeet's_Coffeeの横のドアを 奥に進むか、裏から回って下さい。今回はいつもの外に面した S360 ではなく、 隣の S361 がセミナー会場となります。午後6時を過ぎるとドアはロックされます。 参加費は無料。前回までと同様にTOMY TECHさんによる日本のお菓子と ドリンクの提供があります。 #
by lifesciencejapan
| 2006-11-14 09:43
| Past Seminar
来たる9月29日(金)、第23回LSJセミナーを開催いたします。今回のス ピーカーはDepartment of Mechanical Engineering で研究をされている児玉高 志さんにお願いしました。 原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope; AFM)は、絶縁体の試料を観察でき る、液体中の試料も観察できるなど、走査型トンネル顕微鏡(STM) に無い利点 があります。このため、AFMは細胞膜上のタンパク質の観察など生物分野で積極 的に応用されています。また、AFMは画像を得る目的だけではなく、 細胞膜など 生物試料の弾性を測定することにも利用されています。 児玉さんは、試料の物性を測定できるAFMの機能を共焦点顕微鏡と組み合わせる ことにより、物性だけではなく光学スペクトルの情報を得る測定方法を開発され ました。また、試料の光学スペクトルの情報を得るもう一つの方法として、表面 プラズモン共鳴によって増強された局所電場を利用する手法の開発にも携わられ ました。どちらの方法も試料の光学スペクトルを可視光波長以下の解像度で測定 できることから、生物学へ応用が期待されています。 今回は最新の研究成果をお話しいただくとともに、AFM、表面プラズモン共鳴が 今後生物学にどのように応用できるかをご紹介いただく予定です。また、児玉さ んはベイエリアの研究者のネットワーク作りにも積極的に携わっていらっしゃい ますので、セミナーの後の交流の時間にも興味深いお話が期待できると思います。 皆様お誘い合わせの上是非お越し下さい。 第23回オーガナイザー 奥本 佐喜子 --------------------------------------------------------------------------------- 記 第23回 LSJ セミナー (前回までの様子はこちら↓) http://lsjapan.exblog.jp/ <場所>Clark Center 3階セミナー室 S360 (外の廊下から見えます。Peet's Coffeeの奥のドアから入って下さい) <日時>9月29日(金)午後5時30分- 参加費 無料(TOMY TECHさんに日本のお菓子とドリンクをご提供いただきます) <Speaker> 児玉高志さん Stanford University Department of Mechanical Engineering (Visiting scholar) 日本学術振興会研究員 <Title> 原子間力顕微鏡と倒立型共焦点レーザー顕微鏡の統合測定システムの開発と生体 測定への応用 <要旨> 近年、走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope, SPM)と総称される一 連の顕微鏡技術の開発により、様々な試料を様々な環境下において、原子、分子 レベルの分解能で画像化することが可能となりました。 SPMは、分子サイズほど に先端を先鋭化させた探針で試料表面を走査し、その形状像を取得する顕微鏡で す。そのようなSPMの中でも特に原子間力顕微鏡 (Atomic Force Microscope, AFM)は、試料に導電性を要求しないこと、並びに液中など様々な環境下で動作さ せることが可能なことから、生物学研究など幅広い分野で意欲的に用いられてお ります。またAFMは、試料の形状の画像化ばかりでなく、フォースカーブ測定を 用いた探針-試料間の相互作用測定や生体分子の分子操作といった有用な実験を 単一分子レベルで行うことが可能です。フォースカーブ測定とは、試料に対して 探針を垂直に動作させ、探針に加わった力に対してその微小変位をモニターする 測定手法です。 さて、このAFMを用いて得られる測定情報は、一般的に探針に加わった力とその 微小変位の情報のみです。そのため、検出可能な試料の物理情報は限られてしま います。もしもAFMを用いてより多様な情報を検出することができれば、様々な 知見が得られます。そこで我々研究グループは、AFMと倒立型共焦点レーザー顕 微鏡(Confocal Laser Scanning Microscope, CLSM)を統合した測定装置(CLSM / AFM)を開発しました。 我々はこの統合測定装置を利用して、主に以下の2つの測定手法の開発を行っ てまいりました。 1. Force curve Mode CLSM / AFM 2. Apertureless near-field scanning optical microscope (ANSOM) 1はAFMのフォースカーブ測定と同時に探針接触領域の光学スペクトルを検出す る手法です[1]。そして2は、金属の表面プラズモン励起により生じる局在増強 電場を利用して、試料のナノ領域の光学スペクトルを検出する手法です。どちら も生物学に応用が期待されております。発表では我々の研究成果と共に、生物研 究者にとって今後さらに重要な測定システムになりうるAFMについて詳しく紹介 致します。また、表面プラズモンと近接場光の生物測定への応用についても解説 致します。 [1]. T. Kodama, H. Ohtani, H. Arakawa, A. Ikai, Appl. Phys. Lett., 86 (2005) 043901. #
by lifesciencejapan
| 2006-09-23 04:22
| Past Seminar
|
ファン申請 |
||