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LSJの皆様 来たる 6月12日(金)午後 5 時 45 分より、第 49 回 LSJ セミナーを開催します。今回は Stanford University, Department of Medicine で研究されている佐々木 孝さんにお話ししていただきます。 人工心肺装置をご存じでしょうか。主に心臓を止めて行う大血管手術の時に使われる装置で、手術の間、血液を送り出す「心臓」と、ガス交換をする「肺」の代わりを担います。ただ、人工心肺(体外循環)を用いることにより少なからず生体に対してダメージを与えてしまう事があります。体外循環研究の命題は如何にして生体の循環条件に近づけるかでした。佐々木さんは日本で心臓血管外科医として経験を積まれた後に、Stanford にて、ブタの心臓を用いて体外循環の至適条件を研究されています。専門外の方でも理解できるようバックグラウンドに重点を置き、人工心肺の基本から先生の行われている研究の新しい知見まで、幅広くお話しいただける予定です。多くの方にとって興味深いものになるのではないでしょうか。 皆様、お誘いあわせの上、是非お越しください。 尚、会場は 5時30分には入ることができますので、セミナーの前後の時間は他のメンバーとのコミュニケーションの時間としてご活用ください。 第49回オーガナイザー 奥村 繁 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 第49回 LSJ セミナー (前回までの様子はこちら↓) http://lsjapan.exblog.jp/ 場所: Clark Center S360 (外の廊下から見えます。Peet's Coffeeの奥のドアから入って下さい) 日時: 6月12日(金)午後5時45分- (午後5時30分開場) 参加費: 無料(TOMY TECHさんに日本のお菓子とドリンクをご提供いただきます) ・・・・・・・・・・・・・・・・ <Direction> ↓この地図の"C"のBuildingがクラークセンターです。 http://med.stanford.edu/maps/som_directions_map.pdf すぐ横の駐車場(A permission)は4時以降は無料です。建物中央の中庭からカフェテリアの横の階段を3階まで上がっていただくと、Peet'sCoffeeの奥が会場です。入り口はPeet's Coffeeの横のドアを奥に進むか、裏から回って下さい。セミナー会場は外の廊下から見えます。午後6時を過ぎるとドアはロックされますが、会場の窓をノックしてください。参加費は無料。前回までと同様にTOMY TECHさんによる日本のお菓子とドリンクの提供があります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ <Speaker> Stanford大学小児心臓外科 佐々木 孝さん <Title> 順行性脳灌流の至適流量 <要旨> 外科的技術や周術期管理の進歩により、新生児、乳児期に手術を受けた先天性心疾患患者の生存率は著名に改善してきました。一方で術後早期や晩発性の脳神経系合併症が注目されるようになってきました。術後脳神経系合併症は主に二つの要因から起こると考えられています。一つは遺伝的素因、性別、人種、社会経済的状況、胎内での神経系発達といった個人特有の(変えることのできない)因子です。もう一つは周術期の低酸素、低血圧、低心拍出量といった血行動態や術中の人工心肺など、修正し得る因子です。私の所属する研究室では特に人工心肺中の脳保護をテーマに実験を行っています。今回はその中から順行性脳灌流 (antegrade cerebral perfusion; ACP) についてお話したいと思います。 ACPは大動脈が先天的に細かったり、狭いところがある疾患の手術時に用いられる人工心肺技術の一つです。従来は、体温を18~20度まで冷却して全身の循環を完全に止めてしまう方法(超低体温循環停止、deep hypothermic circulatory arrest; DHCA)が とられていました。しかしこの方法には時間の安全限界があり、また脳神経系合併症も少なくなかったため、15年程前から体の循環を停止する間、頭の灌流だけを続けるというACPが導入され多くの施設で用いられるようになりました。ACPが使用されたグループでは、理論上脳虚血のリスクは減少しますが、術後脳神経系の発達をACPとDHCAで比較したの最近の臨床レポートでは、両群に差がないという結果でした。 ACPの標準設定条件(流量、圧、温度、pH管理、ヘマトクリット、送血カニューレの挿入方法など)は未だ定まっていません。中でも流量は20~60 ml/kg/minと施設間で非常に大きな差があります。そこで至適流量を求めるべく下記実験を施行しました。 生後7日のブタで人工心肺を確立し、異なる3つのACP流量10、30、50 ml/kg/min下で脳血流量(cerebral blood flow; CBF)、酸素代謝を計測しました。対照として、安全性が確認されている全身循環100ml/kg/min下のCBF、酸素代謝を計測し比較しました。ACP10 ml/kg/minは不十分であり、酸素代謝から考えるとACP30 ml/kg/minは十分な脳血流量を供給していることがわかりました。ACP50 ml/kg/minは過剰な脳血流量を供給している可能性があり、今後組織学的検討を行う予定です。 当日はまず人工心肺、ACPについての総論、次に実際行っている動物実験について発表させていただきます。
by lifesciencejapan
| 2009-06-03 17:26
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